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エイティーキッズ - FACE

80KIDZ – Face

国内外問わず、ここ最近は新しい価値観とサウンドを携えた新世代が続々と頭角を現している。間違いなく、今は近年稀に見る豊作期。となれば、00年代末の日本におけるインディ・ダンス最大の功労者、80KIDZもうかうかしてはいられない。下手をすれば、この凄まじい勢いに飲まれ、足元をすくわれてしまう可能性だってある。だが、そんな心配は無駄なものに終わることを、2年5か月ぶりの新作『FACE』は見事に証明してみせた。

様々な表情を見せる本作でも白眉なのは、ディスクロージャーなどの新世代ハウス・ミュージックや、ウィーケンド以降のインディR&Bを完全に自分達のスタイルに取り込むことに成功した、新機軸のトラック群。熱心なリスナーであればご存知の通り、彼らは2011年のEP『HOT STUFF』の頃からこういった路線を早くも取り入れ始めてはいた。だが、今回のアルバムでは、それを自分達の新たな名刺代わりとして打ち出せるまでに完成度を高めている。この進化は大きい。「80KIDZと言えばエレクトロ」という固定観念をいまだに拭い切れなかった聴き手も、これを耳にすれば見る目を変えざるを得なくなるだろう。

勿論、80KIDZならではのロック的なダイナミズムを宿したトラックも健在だ。しかし、そこにも彼らの大きな成長の跡が垣間見られる。例えば“Venge”は、初期の代表曲“Disdrive”の進化形とも解釈できるトラックだが、プロダクションからアレンジまで完成度の高さは桁違い。暴風雨が吹き荒れているような“Egyptian Raver”、ZZTや90年代〈R&S〉を髣髴とさせるハード・アシッド“Sting”のブチ切れたエネルギーも凄まじい。

従来のスタイルを的確にアップデートし、なおかつ時代の先端とリンクした新機軸も打ち出した『FACE』は、80KIDZの理想的な進化形だ。しかも、これまでのアルバムで最も迷いがなく、ブレていない。「今の自分達はこれで行くんだ」という力強い確信が全編に満ちていて、それが何よりこのアルバムを特別なものにしている。

EPも含めてよいのであれば、80KIDZのベスト・ワークは、初期衝動の塊だった『Life Begins At Eighty』と、全てをかなぐり捨てる潔さに満ちていた『HOT STUFF』の二枚。そしてこの『FACE』は、フル・アルバムで初めて、それらのマスターピースに堂々と肩を並べる作品となったのではないか。

1. Intro
2. Egyptian Raver
3. I Got a Feeling (feat.Benjamin Diamond)
4. Don’t Wait Up (feat.Ronika)
5. Can’t Sleep (feat.Jhameel)
6. Venge
7. Sting
8. Dusk
9. Gen X (feat.Ann Saunderson)
10. Into The Sun
11. Something In The Way (feat.Kazuki Sato)
12. Face